アタッチメント付きペアガラスの交換方法は?採寸に発注寸法やメリット・デメリットもまるっと解説

夏に差し掛かり窓の断熱対策をしたいと思うことはないでしょうか?シングルガラスの場合、断熱窓ガラスに交換できるガラスは限られてきます。現在であればAGCガラスのペヤプラスというアタッチメント付きペアガラス、真空ガラススペーシア、クリアFITの3種類あります。

ですが、クリアFITは2024年9月2日にメーカー販売停止予定となります。9月以降、単板ガラス用サッシに嵌め込むことのできる断熱ガラスは残すところ、AGCのアタッチメント付きペアガラス【ペヤプラス】と、日本板硝子の真空ガラス【スペーシア】のみとなります。

断熱効果としては、ペヤプラスが熱感流率2.1W/(㎡・K)に対し真空硝子スペーシアが熱感流率1.4W/(㎡・K)なのでスペーシアの方が断熱性能が優れています。スペーシアはその他、結露対策や防音効果まであり超高性能ガラスといわれている高機能ガラスです。

窓の結露対策に真空ガラススペーシアがオススメな理由

ですが、良いものは高く、手が出しづらいのが現状ですよね。なので当店では、手軽にシングルガラスからペアガラスに交換できるアタッチメント付きペアガラス【ペヤプラス】もオススメしております。前置きが長くなりましたが、アタッチメント付きペアガラスの採寸から発注寸法、交換方法をご紹介していきたいと思います。

アタッチメント付きペアガラスに替える場合の採寸方法と発注寸法は?

①みえるガラスサイズの幅、高さを測る

まずは金属製のしっかりしたスケールを使いみえる部分のガラス面の幅と高さを測ります。

②障子サッシ枠溝幅を測る

ガラスがのみ込む部分の溝幅を測ります。木造住宅の引違い窓の場合はほとんど9mm開口です。

③測った寸法プラス12mm足す

測った寸法を幅、高さともにプラス12mmすると出来寸になります。つまり発注寸法です。12mmというのはガラスが障子枠にのみ込む寸法です。シングルガラス交換の際の発注寸法も内寸プラス12mm(枠のみ込み寸法)なので、シングルガラス交換と同じ要領で計算ができます。

サッシ種類にもよりますが、通常のペアガラス用サッシの場合でペアガラス交換する場合は内寸プラス24mmになります。

アタッチメント付きペアガラス交換手順

ではアタッチメント付きペアガラスの交換手順をご紹介します。

①障子をサッシ枠から外す

まずは障子をサッシ枠から外します。障子が外れない場合は外れドメがサッシ枠上部にある、叉は障子に付いている外れドメを解除する必要があります。障子に外れドメが付いている場合は障子縦枠に外れドメ解除方法が記載されたシールが付いている為よくみて外しましょう。障子を外したらせっかくなのでサッシレール溝の埃などを掃除機で吸い、雑巾やウエスなどで清掃をしておきます。ついでにシリコーンスプレーを吹きかけておくと窓の滑りが良くなりますよ。

②障子枠を分解する

1枚のガラスで中桟がない障子枠の場合、分解した障子枠がL字になるように分解します。

外障子はクレセント受け金具が付いていますが、クレセント受け金具が付いたままだとアタッチメント付きペアガラスが障子枠にはめ込めない為一旦外しておきます。

③ガラスを障子枠に嵌め込む

ガラスを障子枠に嵌め込みます。アタッチメント付きペアガラスは写真のようにガラス面が飛び出ています。これはガラスに空気層をもたせている為です。

設置方法はガラス面が飛び出ている面が外障子は外になるように、内障子には内側になるように設置します。飛び出ているガラス面が干渉しないようにする為です。

基本的にはガラス面室内側にラベルシールが貼ってあり、内障子の室内側ですよという記載がされている為間違えることはありません。

ガラス面右下に刻印があります。刻印にはメーカー、ガラス構成、出来寸法サイズ、中空層結露の場合の保証期間が打刻されています。

③障子を建て込む

入れ替えた障子を建て込みます。外した外れドメは忘れずに再度設置します。このとき、クレセント錠のかかり、建て付け調整、ガラス面の清掃なども行います。

以上でガラス交換が完了です。

アタッチメント付きペアガラスのメリットとデメリットは?

アタッチメント付きペアガラスは見た目も高級感ありますし、安価でありつつ中空層はアルゴンガスが充填されている為、空気層が乾燥空気の通常のペアガラスより断熱性能は高いです。

アタッチメント付きペアガラスのデメリットとしては、空気層を厚く設けると飛び出たガラス面が網戸に干渉するというデメリットはありますが、空気層を最小の5mmに設定すれば網戸に干渉することもあまりありません。(持ち出し網戸が設置されている場合は干渉します)通常ペアガラスの空気層が8〜12mmに大して空気層が5mmというのは薄いような気はしますが、アルゴンガスが入っている為断熱効果は非常に高いです。

まとめ

以上アタッチメント付きペアガラスの採寸方法から発注寸法計算、ガラス交換方法のご紹介をしました!なんとなくシングルガラスからペアガラスにする流れがご理解頂けたのではないでしょうか?

この記事が、シングル窓ガラスから断熱ガラスにしたいけどアタッチメント付きペアガラスってイメージ沸かないし、よく分からないな〜という方や、真空ガラスにしたいけど、高価で手が出しづらいしな〜という方や、はたまた駆け出しのガラス屋さんにとっても参考になりましたら幸いです。

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時々屋

日頃はガラス屋を営んでいる傍ら、空いた時間にガラスやサッシの修理ブログをまとめています。記事が少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。

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