お風呂のドアのガラスが割れることってありますよね。最近は安全性を考えてアクリルが入っていることもありますが、引戸タイプや片開きドアの場合、まだまだガラスが入っているお家を見かけます。(修理業者のため)
この記事ではお風呂のドアガラスや浴室の引戸ガラスが割れた際に、割れても安全なガラスやアクリルをご紹介したいと思います。
割れても安全なガラス種類
強化ガラス
まず割れても安全なガラスとしてポピュラーなのは強化ガラスですよね。強化ガラスは割れても粒状にバラバラに散らばるため皮膚に突き刺さることもなければ素手で触っても怪我はしづらいガラスです。しかも強度も通常のフロートガラスより3〜4倍あるので割れにくく割れても安全なガラスとしてお店の出入り口ドアや商業施設、病院など安全を確保したい建物や箇所でよく採用されています。強化ガラスは耐熱性もあるためテーブルトップガラスとしても良く使われていますね。
デメリットはガラス面は強くても角が弱いため、例えばガラスを保護する役割もあるグレチャン(パッキン)が切れた場合や劣化してボロボロになった場合、枠の中でガラスの角は剥き出しになります。ドアや引戸を強く開閉してしまった場合に剥き出しになったガラスの角が枠の中で当たるとキズが入りバラバラに割れてしまうことがあります。
防犯合わせガラス
防犯合わせガラスはガラスとガラスの間に耐貫通性の高いフィルムが重ねて入っています。防犯ガラスのフィルムは接着力や強度もあり、普通のガラスに飛散防止フィルムを貼るのとでは安全性は比べ物になりません。割れてもヒビが入るだけで故意にでもガラスを割らなければ穴は開きづらいガラスです。それに、ガラスとガラスの間にフィルムが入っていることでフィルムが劣化することもありませんので、長く安全に使用ができます。
但しガラスが割れても一切破片は発生しないかというとそうとは言い切れません。ガラスに当たる物や当たり方によっては細い破片は散らばる可能性があり100%割れても安全とはいえません。
アクリル樹脂パネルを入れる選択肢
お風呂のドアや引戸が割れた場合、アクリル樹脂パネルを入れるという選択肢があります。よく、お風呂の折れ戸(折りたたみ戸)では採用されている面材です。アクリルは樹脂なので割れて万が一肌に刺さってもたいした怪我に繋がることはありません。強化ガラスのようにバラバラになることはありませんが、割れた樹脂パネルの縁を触ったところで全く怪我はしません。安全なので最近では開きドアや引戸にもよく採用されています。
実はアクリル樹脂パネルは浴室ドアは勿論、引戸にも取り付けることができます。アクリル樹脂パネルを引戸に取り付ける場合、アクリル樹脂パネルの縁にはガラス用のグレチャンを巻き付ける必要があります。単純にガラス交換と同じ要領でアクリルに交換できます。ガラスドアの場合は押さえゴムやコーキングにより接着してアクリル樹脂パネルを入れて固定することが可能です。
アクリル樹脂パネルは同じ厚みのガラスより強度は10倍以上といわれています。なので分厚いアクリルを選ぶ必要はなく、3mm厚みのアクリルで十分すぎるほど強度があり、3mm厚みのアクリルを入れると安心です。2mm厚になると少し強度に不安が残りますし、ガラスでいう2mm厚みは室内障子ガラスとして使われているので、2mm厚用のグレチャンは販売されていません。なので2mm厚みのアクリルが安いからと開きドアや引戸に入れ替えることは現実的でないため、アクリルは3mm厚みをオススメします。
まとめ
この記事では浴室ドアや浴室引戸のガラスが割れた場合、安全性の高いガラスに入れ替えることのできるガラスの種類と、アクリル樹脂パネルを入れるという選択肢があること、そのメリットをお伝えしました。
お風呂場では、水で足が滑って転んだり、湯船からあがるときに立ち眩みして転倒したり、トラブルがおきやすくガラスが割れるというのはよく起こります。素肌で身体を守る物も身に着けてない状態で身近なガラスが割れると非常に危険です。なので浴室のガラスが割れた訳ではない場合も、万が一のためにアクリルに入れ替えるという選択肢もあります。小さなお子様がいる、お孫さんが頻繁にお泊まりにくる、そのような場合は安全性の高いアクリル樹脂パネルに交換しておくというのも良いかもしれませんね。
時々屋
日頃は福岡県北九州市にてガラス屋を営んでいる傍ら、空いた時間にガラスやサッシの修理ブログをまとめています。記事が少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。