ガラス交換の基礎知識。パテつきガラスってどんなもの?

窓ガラスが割れたから、近くのガラス屋さんに見てもらったらパテ付きガラスはちょっと。。。と言われ断られました。普通のガラスと違うのですか?

ガラスパテは昔の建具によく使われたガラス固定方法です。シリコンと違い、パテの撤去は非常に時間や手間もかかり大変です。今ではシリコン打ちが主流ですから、断る業者も少なくありません。

この記事では、パテ付きガラスの交換方法について写真を用いて紹介していくのと同時に、パテとコーキングの違いや、材質の違い、費用感など、パテ付きガラスについて知理解して頂くべく紹介していきたいと思います。

パテ付きガラスとは?

パテ付きガラスは、ガラスと枠の間にパテを充填することでガラスを固定するガラス交換方法です。塗りはじめは、粘土のようなものですが、固まるととても強度のあるものになります。昔は金属製のサッシなどでよく見られましたが、今ではシリコン打ちが主要になってるため、見かけることが少なくなってきました。

パテとコーキングの違いは?

パテとコーキングはガラスを枠に固定するという目的こそ一緒ですが、扱う材質や施工方法に違いがあります。

材料材質と施工方法
パテ鉱物質充塡材と植物乾性油を練り混ぜたもの。ガラスグリップとヘラを使い、パテ切りしながら仕上げる
シリコン(コーキング施工)ケイ素樹脂。マスキングテープとヘラを使い仕上げる

パテの特徴:ガラスやサッシにもよくくっつき、防水性、耐熱性、耐低温性に優れている。弾力性は皆無。

シリコンの特徴:ガラスやサッシにもよく付き、防水性、カラーの種類、弾力性がある。

パテ付きガラスの交換方法について

パテ付きガラスは、パテさえ取ってしまえば一般のガラス交換方法と一緒です。ただ、そのパテの撤去が大変な他、パテの撤去を行う為の道具が必要になります。

パテの撤去に必要な道具は下記のとおりです。

道具用途
アタッチメント付きスクレーパー、またはスクレーパーパテを砕きながら撤去するのに必要
インパクトドライバーアタッチメント付きスクレーパーを使用するのに必要
グラインダーパテを切断するのに必要
ダイヤモンドカッターパテを切断するのに必要
トンカチとゴムハンマースクレーパーの背を叩くのに必要
保護メガネ目を保護するのに必要

パテ付きガラス交換手順

1.パテの撤去

まずはパテを撤去する必要があります。通常であれば、枠を早々に分解してガラス交換を行うのですが、パテの場合は、パテがガラスと枠に強固にひっついている為、まずはパテの撤去から行います。

パテ撤去方法:まずは保護メガネをかけます。次に枠をゴムハンマーで叩いて振動を与えてみます。バテの劣化が激しいと、枠についたパテが剥がれ落ちます。

パテは劣化しにくい素材なので、剥がれないことの方が多いです。次にグラインダーにダイヤモンドカッターを装着して、ガラスと枠の間のパテに切断線を入れるように切り込みを入れます。

インパクトドライバーにアタッチメント付きスクレーパーを装着して、先程付けた切り込みに当ててスイッチオンします。切断線があることで、スクレーパーの先が逃げずにパテを砕いてくれます。枠内に詰まったパテは、普通のスクレーパーを当てて、トンカチでスクレーパーの背を「トントン」と叩き、方向を細かく変えながら綺麗に取り除きます。

どうしても、ガラスが邪魔になりパテを撤去しづらいときは、ガラスの真ん中をガラスカッターで切断し、ハンマーで叩き割って、ガラスをある程度取り除いて撤去作業にあたるのも有りです。

2.枠の分解

既存ガラスとバテの撤去ができたら、枠を分解します。写真のような、中桟がありガラスが上下に分かれている掃き出し窓ガラスは、パテ付きガラスの場合は、枠の分解手順にも気を使います。パテ付きガラスの場合、上部のガラスが割れたら上框を、下部のガラスが割れたら下框を取り外します。

3.ガラスを入れ替える

パテが綺麗に撤去できたことを確認して、ガラスをカットして、入れ替えます。注意点として、パテを綺麗に撤去せずガラスを入れると、取り残したパテとガラスの縁が干渉して、欠けや貝割れに繋がります。しっかり確認して、慎重にガラスの取り替えを行いましょう。

4.分解した枠を組み直す

ガラスを入れ替えたら、分解した枠を組み直していきます。

5.コーキング打ち(ガラスの固定)

ガラスと枠の間にバックアップ材を詰めてガラスの仮固定を行い、マスキングテープをガラス面、枠に両面に貼ります。シリコンをコーキングガンに装着して、シリコンの先端ノズルをガラスと枠の隙間の大きさに合わせて先端ノズルをカッターで切り落とし、コーキング打ちします。ヘラをガラスと枠の間に当ててスライドしつつ、余分なシリコンを取り除きつつ、ラインを出します。最後にマスキングテープを剥がしたら作業完了です。

↑コーキングに関しては、こちらの記事をご参考ください。

業者に依頼する場合の費用

パテ付きガラス交換を業者に依頼する場合、費用はガラスの種類、サイズ、厚み 、施工方法 、施工場所によります。通常のガラス交換と違い、パテ付きガラス交換の場合、施工時間は2倍から3倍になります。

通常ガラス交換が1時間作業で、2万円の場合、パテ付きガラス交換は3〜4時間作業で、4〜5万円になります。おおよそ、1.5〜2.5倍の料金となります。費用負担軽減のため、火災保険の使用なども検討してみましょう。

まとめ/ガラス交換の基礎知識、パテ付きガラスについて理解を深めよう。

この記事では、パテ付きガラスとは?というところから、パテやコーキングの違い、費用感などもお伝えしてきました。

いまでは、あまり見かけることのなくなったパテ付きガラスですが、それと同時に知っている方も少なくなり、何故パテ付きガラスというだけでどこの業者も嫌がるのか、費用が高いのか理解できないという問題も発生しがちです。この記事をきっかけに、パテ付きガラスの交換にまつわる業者とお客様の認識や知識の差が埋まり、両者とも理解しあってスムーズにガラス交換ができるといいですね。

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