暑すぎて窓ガラスが突然割れる?その理由を解説します

2024年7月5日から7日にかけて、猛暑が続いております。東京では暑すぎてガラス割れが起きるなどニュースになっておりました。当店にも福岡のテレビ局から福岡店に暑すぎてガラスが割れた事例はありますか?とお問い合わせを頂きました。この記事では、暑すぎてガラス割れが起きる理由を解説していきたいと思います。

暑すぎてガラス割れが起こる理由は?

①温度差によるワイヤーガラス熱割れ

ガラスは60℃程度の温度差が発生するとガラス割れが起こると言われています。この温度差は、例えば猛暑の日にアルミサッシが日に当たり続けてしまうと、アルミサッシは熱さで非常に高温になります。サッシ障子枠にもガラスがのみ込んでいますから、のみこみ部分の温度とガラス中心部分の温度に違いがあります。

アルミサッシはガラスに比べて200倍も熱伝導しますから、当然ガラスののみこみ部分は高温になる訳です。ですが冷房を入れていれば、ガラスの中心温度はそれほど高くなりません。ガラスは熱伝導しにくいからです。そうするとガラスの中心温度とアルミサッシに近いガラスとでは、同じ1枚のガラスでも温度差が生じガラスが温度差に耐えられずに割れてしまうという訳です。特にワイヤー入りガラスは錆びている部分とそうでない部分とで熱のムラが起こりますから熱割れしやすいといえます。

②ガラスの劣化

通常のガラスはおおよそ30年ほどで劣化すると言われています。網入りガラスは15年が寿命ともいわれています。長年温度変化に曝されたガラスはある日突然温度差に耐えられず割れるということもありえます。網入りガラスにいたっては結露しやすい環境であればガラスに封入されているワイヤーも早い時期に錆びてしまいますから、環境次第で15年持たず割れることもあります。

③ガラスの不良品

ガラスの製造段階で溶解したガラス内部に気泡や不純物が含まれることがあります。これらの不純物や気泡は、直接的にガラス割れに繋がることはないものの、温度差でガラスが膨張や収縮した際にストレスを与える原因になることがあります。

④ガラス割れ替えの施工不良

ガラス割れ替えの施工不良が原因によりガラスが割れることがあります。それがコーキング納まりのガラス割れ替えでガラスをアルミ枠にくっつけてしまうことです。

FIX窓でコーキング納まりのガラス交換を行う際は通常、ガラスはアルミ枠に干渉しないように室内側と室外側からバックアップ材をガラスと枠の間に入れ込みガラスを仮固定します。ガラスからアルミ枠まで均等に隙間が空きますので、その隙間をコーキングで埋めていく訳です。ですがバックアップ材を室外側しか入れず、ガラスを室外側のアルミ枠に寄せてしまった場合、ガラスと枠が近い叉は干渉してしまい、時に日射に長時間曝されたアルミ枠はガラスに熱が伝わり、熱割れに繋がる原因になることがあります。

特にFIX窓で外額縁納まりの場合、バックアップ材でアルミ枠とガラスの間にクリアランスを設けないと、アルミの押縁金物がガラスに当たる面積が大きくなりますから日射に曝され高温になったアルミ枠からダイレクトにガラスに熱が伝わります。また、ガラス交換の際にガラスに傷が入っていたりヒビの入ったガラスを入れると当然ですがガラス割れに繋がります。日中の作業であればガラスに異変があっても気づきますが、夜暗い中での作業では気づかないこともあるかもしれません。緊急のガラス交換であればやむを得ないこともありますが、基本的には夜暗い中での作業は避けてもらい日中作業をしてもらうようにしましょう。

⑤室外機の温風にガラスが曝される

室外機の温風にも注意が必要です。ベランダなどが狭く常に温風がガラスに当たり続けるとガラスの温度は上昇します。反面、エアコンを付けている訳ですから、室内は冷房ガンガンかけて室内側のガラスは冷えて、室外は室外機の温風がガラスに当たり続け高温になると、室外側のガラスと室内側のガラスに温度差が生じます。するとガラスは温度差に耐えられず熱割れに繋がることがあります。

⑥遮熱フィルムを貼る

窓ガラスに遮熱フィルムを貼ると熱割れに繋がることがあります。特にワイヤーガラスはペアガラスは要注意です。遮熱フィルムを室内側ガラスに貼ると、ペアガラスの場合中空層に熱がこもりますから中空層側ガラスと反対側のガラスで温度差が生まれ熱割れに繋がりやすくなります。ワイヤー入りガラスもワイヤーに熱が伝わり伸縮の程度が大きいとガラスに負荷がかかり熱割れします。

⑦遮熱Low-Eガラス仕様の内窓を設置している

遮熱Low-Eガラスを内窓に組み込んで内窓を設置すると、日射をLow-Eの特殊金属膜が反射して外窓に当たります。すると外窓と内窓の間の空間に熱がこもり熱割れに繋がることがあります。昨年は特に先進的窓リノベ補助金を最大限に活用するためLow-Eガラスの入った内窓を付けるご家庭もたくさんありました。そうした中で遮熱仕様のLow-Eガラスを内窓に設置すると熱割れしたという事例報告が当店にも何件もあがりました。内窓の設置も設置箇所に適したガラス構成にしないとガラスの熱割れに繋がる原因になります。

まとめ

以上暑すぎてガラスが割れる原因について考えてみました。いくつか心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特に遮熱シートや目隠しシートをガラスに貼っている方も多いため気をつけましょう。網入りガラスは熱の温度差に弱いため、日よけシェードやすだれをして日射がガラスに曝され続けないように工夫してみるのもオススメです。

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