台風からお家を守るガラスは防犯ガラスか強化ガラスどっち?オススメは防犯ガラス

よく台風対策に強化ガラスを入れたいと言われることがあります。防犯ガラスは考えられましたか?とお聞きすると「防犯ガラスってあんまりよく分からなくて、でも割れますよね。割れない強化ガラスを入れて台風に備えようかと思っています」と言われます。

ですがちょっと待ってください。強化ガラスって割れないわけではないんですよ。通常のフロートガラスより3〜4倍強度は高いですが、強い衝撃や鋭利な物が当たると強化ガラスといえど割れてしまいます。しかも、強化ガラスは一部分が割れると1枚のガラスが粒状にバラバラに割れるので、台風のときに強化ガラスが割れるとその窓から雨風がお家に入ります。そうなると内装はもちろん家財も破損してしまったりと大変です。

この記事では台風対策で窓ガラスを選ぶなら防犯ガラスの設置がオススメな理由をご紹介すると同時に、強化ガラスに比べて馴染みのない防犯ガラスの性能についても知って頂き、台風対策のガラス選びの選択肢の一つに入れて頂けたらと思います。

台風対策で防犯ガラスがオススメな理由

  • ガラスが割れても飛散しない
  • 打ち破りに強い
  • 防音性もある
  • UVカット効果あり

①ガラスが割れても飛散しない

防犯ガラスはガラスとガラスがPVB(ポリビニルブチラール) というフィルムを挟んで合わせガラスというガラス構造になっています。それもただのフィルムではなく防犯用の特殊なフィルムも何層も挟んでいます。なのでガラスが割れても飛散しません。実質、後付けで透明ガラスに飛散防止フィルムを貼るより、防犯合わせガラスのように中間膜に特殊な強度の高いフィルムを何層も入っているガラスの方が飛散防止効果も格段に高いのは当然かもしれません。

②打ち破りに強い

防犯ガラスにはバールによる打ち破り試験で打撃を7回加えても十分な大きさの穴が開かなかったという実験データがあります。(引用:警察庁住まいる防犯110番

このことからも台風で飛来物が強く当たっても一度で穴が開く可能性は高くありません。仮に穴が空いたところでガラスとガラスの間の特殊中間膜フィルムにより非常に強力にガラス同士が接着されているので、ガラスの形は残ります。実はガラスの形が残るというのが大切で、台風では横殴りの雨も当然入るので、ガラスがバラバラに割れてしまっては壁紙や床などの内装はもちろん、家財も傷んでしまいます。仮に強化ガラスを入れていて強化ガラスが割れるとどうなるでしょうか?

強化ガラスは割れても安全なガラスという特性上、割れるとバラバラに散らばります。そうなると台風の中ガラスが入ってない窓があるという状況になります。もし次に窓から台風の強風に乗って飛来物が飛んでくると非常に危険です。しかもそのような中でガラスのなくなった窓に養生をすることも危険でリスクのあることであり、恐らく養生も窓にひっつかないでしょうね。

③防音性能もある

実はあまり一般的に知られていませんが、防犯ガラスには防音性能もあります。ガラスとガラスの間にフィルムが入っているという構造は防音ガラスと一緒です。ただ、防音ガラスはフィルムが高音域で遮音する特殊なフィルムが入っていて、防犯ガラスは防犯のための耐貫通性能のあるフィルムが入っているという違いがあります。

分かりやすく防犯ガラスの防音性能をご説明すると、普通のガラスが大体20db騒音カットするのに対して、防犯ガラスは30db騒音をカットします。これは凄く大きな違いです。台風の際は非常に風の切る音もうるさく、台風の日の夜は不安と騒音で眠られないという方も少なくありません。特に小さいお子さんは音に敏感ですから非常に怖い思いもします。

ですが防犯ガラスにしていることで、騒音をカットし少しでも音を小さくするというのは思っている以上にメリットがあります。騒音カットするというそのメリットは、台風のときだけでなく防犯ガラスを入れている間は常時発生するので非常に大きなメリットといえます。

④UVカット効果がある

意外なことに防犯ガラスはUVカットをする効果があります。防犯ガラスの特殊フィルムPVB(ポリビニルブチラール)はガラスとガラスの間に入っているので劣化もしません。しかも99.9%の紫外線をカットするので、ご自身やご家族の身体はもちろん、家具や内装も日焼けや色褪せなどから保護できます。その為だけに防犯ガラスを設置する方がいても不思議ではありません。それほどメリットがあることです。

まとめ

台風で飛来物、例えばお隣のお家の瓦などが風にガラス煽られて飛んでガラスに当たると強化ガラスであっても防犯ガラスであってもガラスは割れます。防災の考え方は、強化ガラスならガラスが割れないだろうという楽観視ではなく、防犯ガラスならガラスが割れても飛散せず安全だし、割れてもガラス面は残るから雨風が凌げるな、というリスクヘッジと先を見据えて考えることが大切になります。

また、強化ガラスはさまざまな店舗で見かけたり、身近で馴染みのあるコンビニエンスストアなどでみる為か防犯や台風対策では強化ガラスというイメージを持たれる方が多い印象です。ですが、上記で述べたように防犯ガラスのメリットはたくさんあり、防犯はもちろん台風などの防災対策にも非常に効果的なガラスといえます。

上記の理由から台風対策では万が一割れる可能性のある強化ガラスではなく、万が一割れても安全でガラス面の残る防犯ガラスが断然オススメです。

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時々屋

日頃はガラス屋を営んでいる傍ら空いた時間にガラスや建具にまつわるお役立ち情報を発信しています。記事が皆様の参考になりましたら幸いです。下関市・北九州市のガラス屋より

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